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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

お義母さんと少し話しながら、出入り口に向かう。



「光花…殆ど食べれてないですよね…。」



「はい…。進行が凄い進んでる訳じゃないんだけど、胃は硬くなっていってるみたいで、重く感じるみたい。」



「そうですか…。」



お義母さんは、切な気に微笑みながら



「だから今日は、食べれてたのが嘘のようよ。光花は、本当に小田切さんが全てなのね…。ありがとう…あの子の為に色々してくれて、感謝の言葉が見付からないわ…。」



「お義母さん…光花さんは優しい御両親の背中を見て育ったですよ。こちらこそ、光花さんに出逢えて本当に幸せです。」



俺の言葉に、お義母さんは目元を押さえた。



「ありがとう…小田切さん…。二人とも、優しいだけなのにね…。辛い思いさせてごめんなさいね…。」



「お義母さん…。」



何とも口惜しく、遣る瀬無い…。



誰かが悪い訳でもないのに、皆が罪悪感に苛む。



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