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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

いつになく感情が溢れ出してしまう。



顔をしかめて、食い縛る。



「小田切…?」



流石の滝島も、神妙になった。



「光花が…日曜日に倒れて、昨日から検査入院するんだよ…。」



「え…どこか悪いのか?」



「胃が…父親は、胃癌で亡くなったって…。」



滝島は、眼を細めて



「そっか…病気って聞いたけど、胃癌だったんだ。まさか…ヒナちゃんもじゃないよな…。」



俺は眼を瞑って、起きた現実を振り返った。



「日替わり定食、2つだよ!」



「あっ…ありがとう。」



滝島はお礼を言ったら、京子さんは無言で手を振って行った。



「滝島…。何で世の中…不平等なんだろうな…。」



「……。」



「真面目に一生懸命頑張って来た人間が痛い目みたり、何不自由なく生きて来た人間が美味しい思いしたり…。せめて頑張った分、細やかにでも報われたいよな…。」



「ヒナちゃん…そんなに悪いのか?」



本当に察しいいな…。


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