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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

「強制ではありません…。よくよくお身内で、相談して下さい…。」



その後は、検査や入院手続きの説明に入っていった。



「明日の夜には、部屋に入れるように出来ますので、入院に必要な物を用意してきて下さい。」



「はい…。」



それから光花が居る部屋に向かいながら、お義母さんが口を開いた。



「小田切さん…光花に…告知しようかと思うんですが。」



「え…。」



「多分…遅かれ早かれ分かると思います。もう、気付いてるかもしれない…。気を使う子だから、こちらの態度も気にしてしまうと思うんですよ…。」



お義母さんは、意を決しているようだが、俺は現実をまだ受け止められてない。



「ま、待って下さい…。本気ですか?」



「えぇ…芯の強い子だから…受け止めると思います。」



「確かに…光花さんは強いです…。けど、死の宣告なんですよ…。」



「小田切さん…ごめんなさいね…。辛い思いさせて。」



きっと、俺の動揺を気遣ってくれたんだろう。



「すみません…正直、自分が受け止められてなくて…少し時間もらえませんか…。」



「そうよね…。貴方に任せますね…。」



お義母さんだって、本当は凄い辛いだろう。


俺が、しっかりしないといけないのに…。

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