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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

1年3ヶ月前

「はい、ではその案件は、これでいいですね。また、ご連絡致します。」



オフィスで取引先と打ち合わせをしながら、パソコンを打ち込んでいると



「小田切さん、総務から資料取りに来て下さいって、内線入りましたよ。」



佐伯さんが総務からの連絡を取り次ぎに来てくれた。



「佐伯さん、ありがとう!」 



「資料だけなら、私取って来ましょうか?」



と、気を訊かせてくれたが



「自分の庶務的な事だから、後で行ってくるよ。ありがとう。」



角がたたないように、笑顔で彼女の申し出を断った。




「そうですか。雑用なら言って下さいね。」



佐伯さんも笑顔で、返してくれ、わざわざ雑用を申し出てくれるなんて、有難いなぁ~と思っていると



「お前が庶務的な事って珍しいな?何か手続きでもすんの~?」



滝島は油断く突っ込んできた。



本当にこいつは、町内管理のオバチャンか!



「別に~引っ越しする予定だから、住居手当てか調べてもらったんだよ。」



「引っ越し?寝床にしかしてないアパートだったのに。」



「キッチンが狭いんだよ。彼女がシステムキッチンに憧れてるし…」



「えぇ!システムキッチンっ!!」



話を続けようとしてたら、佐伯さんの驚く声がした。


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