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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

水越光花は、真っ赤になって俯きながら



「か…いい…て…。」 



消え入りそうな声で、聞き取れない。



「ん?かい…?」



「可愛いねって…いつも言って下さいます…。照れくさいです。」



確かに可愛いい…でも、初な彼女にとっては言われる度に気恥ずかしいく感じてるんだろう。



「あんまり言うのも、セクハラだよね。俺から注意しとくよ。」



ため息混じりに、彼女にそう伝えると。



「えぇ!わ、悪いです!滝島さん本気で言ってる訳じゃないと思いますし!」



マジ?あいつ、本気だってば!



「毎回言われるのも返答に困るでしょ。俺も、癪だし…。」



「へっ?」



って…俺、今何て言った?
彼女も、キョトンとしてる。



「あぁ~ナース服、着替えたの?」



我ながら、かなり苦しい誤魔化し方をしてしまった。



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