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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

「そしたら、なにがなんでも手放せなくなった…。もう、嘉之の全てをかけて、奪取してくるわよね…。」



「そ…そんな恐ろしいこと言わないでよ…。」



黎子の瞳が輝きだした。
またスイッチが入ったな…こうなると止まらないぞ!



「いいえ!全身全霊で、手中に収めるまで追っかけてくるわ!全細胞が、そう指令する限り理性では、止められなくなるのよ!」



「いや…遠慮したいけど…。」



ウットリした顔で、言わないでよ!



「正に獲物を狙うサバンナの肉食動物みたいよね…。生きてく為には、どこまでも追いかける!」



『追いかけるからな…。』



ドキッ…脈が早くなる…動悸がしてくる。



「あ…でも、嘉之…面倒臭がりだし…。」



「目先のことは、じゃない?肝心なことはコツコツ手にしてるじゃない。香織が一番分かってるでしょ。」



「そうだけど…。」



私は、フォークをギュッと握りしめた。



「香織…男はね…狩人なの。」



「へっ!?」



「基本…狙ったものは、手に入れたいのよ。」



黎子はそう言って、鶏肉美味しそうに堪能していた。



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