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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

落ち着け!自分っ!


車のレジタル時計が目にはいる…もうすぐ小田切さんとの、待ち合わせの時間になる。



「あのさ…確かに今日は、小田切さんと約束してる…。けど、話なら昨日すれば良かったんじゃない?」



そうだ…ワイン二本空ける時間があったのに。



「あ~…そしたら、やる時間、減ってたじゃん。」
「…はい?」



「昨日は、やりたかっただけだから、だから今日話してるんだよ。」



やっぱり騙された!



だから、あんなのらりくらりしてたんだ! 
それに今日だって、小田切さんとのこと予測して時間取らせるようなこと!



何で、こんなになっちゃったんだろう…?



最初に出会ったときは、不器用な中に、本当に優しさがあったのに!



「な…なんで…嘉之おかしいよ…。前はこんなんじゃなかったじゃん…。」



私のこの言葉に、嘉之は薄ら笑いを浮かべた。



「そう?これも俺だよ…。香織は最初から解ってたハズだぜ…。」



「え…最初…?」



瞬間、記憶がパルスの様に弾ける…。



「シ…シエロ…。」



「ほら…思い出したろ。」



《Cielo verde》 



嘉之と、話すきっかけになった作品…。



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