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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

なんてことを聞いてくるのよ!



「する訳ないでしょ!そん関係じゃないって言ったじゃん!」



「んじゃ、キスくらいは、してんの?」



次々と…。



「してません!」



したくても出来ないんです!!



「ふ~ん…じゃあ、どうゆう関係なんだよ?」



外の景色を確認しつつ、穏便に持っていくよう気を付けないと…。



「色々、相談に乗ってもらってるだけだよ!」
「何の?」



いちいち何で!
元はと言えば、あんたのせいでしょ!



「それは!嘉之がっ…!」



「俺?俺の何か相談してたの?」



「あ…いや…別に…。」



交差点が赤信号になり車が停まり、嘉之は微笑みながらこっちに振り向く。 



「俺のことで悩んで、小田切に相談したの?」
「あ…。」



実際そうだ…昨日だって、嘉之のこと話してる。


私の傷が嘉之である限り、小田切さんと私を繋いでるのって『嘉之』なの…?。



呆然とする…。



信号は青に変わり、車は静かに走り出した。



「だから、アイツ俺の名前知ってたんだ…。」



なんだか急に嘉之は、ご機嫌になった。



私は、今までの小田切さんとのことを走馬灯の様に振り返った…。



 

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