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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

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「お待たせしました。こちらで、大丈夫でしょうか?」



「あっ、は~い。ありがとう。」



パタンッ…ドアが閉められた音が、耳に届いく。



私は、ベッドで横たわり、指も動かせないくらい、疲れ果てていた。



時間は17時…。



嘉之は、どんなに泣いて懇願しても、自分の気が晴れるまで、やり続けた。



「あ…気持ち…悪い…。」



胃がムカムカする。



後半は、酔いも覚めたため、反って起きた現実をリアルに突き付けられ、身体より心が痛かった。



いくら抵抗しても…無駄…。



慣らされた身体は、嘉之の意のままされて、最後は自分の意思なんて掻き消され、嘉之のゆうことを訊かされる。



自分の出す甘い声に嫌悪感と罪悪感で、狂しくなりそうだった。



でも…一番堪えたのは…。



『小田切さんと嘉之…どっちの子供を産みたいと思うの?』



黎子の言葉が現実帯びて、恐怖心を煽られる。



「イ…ヤ…。」



小田切さん!!
声に成らない声。




「香織~クリーニング出来たぜ!」



ご機嫌で、嘉之が服を持って来た。 



私は、視線だけを嘉之に向けると、クスリッと笑いながら



「大丈夫?」



と、言ってきた。 


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