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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

それでも、いつかは欲しい言葉がもらえるかもしれないと思ってしまう…。



私は、メールを作成し始めた。



『きなこ眺めて寝ます!お休み~!』



こんなもんかな…。
無難に当たり障りない文面…。



送信…。



考えたくないけど、考えてしまう…。



出せない答えのループに嵌まる…。



「流石にもう一本は、空けたら不味いよね…。」



酔えたら楽なのに…こうゆう時に限って酔えないな…。



「はぁ…寝よ…。」



布団を被るが、中々寝付けない…泣いた方が泣き疲れて寝れたな…。



辛い時は、泣いた方が良いって誰か言ってた気がする。
でも、涙も出ない場合はどうすればいいんだろ…。



頭の片隅で、危険信号が点滅しかける…きっと壊れる瞬間がくる…。



私…どうなるんだろう…。
嘉之は、どうするんだろう…。



意識が薄らぐまで、解けないループをひたすら繰り返した。



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