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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

「パタンッ…。」



アパートのドアを閉め、手を洗い、部屋着に着替えて、顔を洗ってしまいたいから、シャワーを浴びることにする。



風呂場から出て、髪を乾かして、テレビを着けて、ボンヤリ画面を眺めた。



ここまでの動作は、無意識に近い状態だった。



夕飯は食べる気がしない…何か飲むか…。



冷蔵庫にトボトボ向かい開けて、ビールに手を掛けかけたが止めた。



「焼酎…にしよ。」



グラスに氷を入れて、半分まで注いだ。



何か少し食べた方がいいけど、固形物が喉を通らない。



結局、ボトル一本そのまま空けてしまうまで、飲み続けたけど、全然酔えない。



「あっ…メールしないと…。」



嘉之に、一日何回かメールをしていた。 



よもや日課みたいなものになりつつあるが…



「…メール…必要あるのかな…。」



返事も毎回来ないのに…何で送るんだろう…。



逆に迷惑なのかも…。



確実に自虐的になっていく…。



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