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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

全体ミーティングの日。



当社とトランスポート、広告代理店の三社と、今回メインになるアーティストが集まった。



各社とも挨拶をしながら、今回のプロジェクトの主旨を再度確認し、広告代理店にプロデュースの方向を思案してもらう。



私も、企画原案者として、プレゼンをしないといけない。



「カッティングエッジカーサを代表として私、渡辺から説明させて頂きます。」



前に出て、スクリーンに映るパワーポイントを使って進める。



チラリと嘉之の方を見ると、画面を真剣に見ていた。



一通り説明を終え



「以上、簡単にはご説明させて頂きましたが、ご質問とかございますか?」



ドキドキしながら、聞く。



「では、一つ…。」
「はい!」



「広告を担当させてもらいます。梶と言います。宜しくお願いします。」



梶さんと名乗る男性は、落ち着いた雰囲気で、真面目そうな紳士的な人に見えた。



変な質問じゃ、ありませんように…。



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