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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

自分のアパートの最寄り駅まで着いたら、思わず川の景色が見たくなった。



アパートとは、反対側になるが川に向かって行くと、十五分くらいで川と橋が見える。 



私は、橋の真ん中くらいで、立ち止まり薄暗い中に、キラキラ光る水面を眺めた。



穏やかに流れる水音に、なんとなく癒されていく気分になる。



水って凄いよなぁ~水の中に居ると安心したりする時もあるし…やっぱり生き物って水から生まれてるんだ…なんて、黎子みたいなことを考えてみたりした。 



微ぐ風が首筋を撫でて、髪をなびかせていく。


しばらく、ただ川を眺めていた。 


嘉之の性格は、分かっていたことだ…過去の経験から色んな不安が、あるのかもしれない。



なら、私はそれを拭えるまで、信じてもらえるまで、頑張ろう! 



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