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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

トラウマとは、簡単には消えないんだな…。



あんなに恋しかったのに、嘉之に関わることだけで、平常心が保ちにくい。



別に次の企画に、嘉之が関わるかは分からないのに。



何とか仕事を終わらせて、何故か急ぎ足で帰る。



メールの着信音がした。



小田切さんからだ。



前回、寝転んでたのもあったから、帰りは何時になるかメールを必ずくれるようになった。 



『今日は、ちょっと残業です。21時頃になります(^-^ゞ』



「くすっ。顔文字だ…。」



胸の奥が温かくなる。



舐め合いだから、辛くないのか…。



それでも今の私には、このぬるま湯が必要なんだ。 



小田切さんに会いたい…。



「一緒に住んでるのにね…。」

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