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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「本当に、ご免なさい!!」



まだ、蒼白な面持ちで両手を合わせて、小田切さんは謝ってきた。



「だ、大丈夫ですよ~。色んな意味で驚きましたが…。」



まさか、あんなに怖がるとは…。



「イヤ…結構、イケると思ったんだけど…思いの外グロくて…。気付いたら、俺…咄嗟にあんなことになって。」



溜め息を吐いて、頭を抱えている。



いつもの余裕は、何処へやら?
そんな小田切さんが、妙に可愛らしく思えて、私は笑いが込み上げてきてしまいそうだった。



「もう、あのシリーズは次は、借りるのやめますね。」



「ごめんね…。」



滝島さんも、流石にこんな一面は知らないだろうなと思うと、妙な優越感が湧いてしまう。

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