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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「小田切さん…。」



無意識に、名前を呼んでいた。



小田切さんの笑顔…見たいな…。そしたら、楽になれる気がする。



『現実逃避』かもしれない。



でも、それが私と小田切さんを繋ぐものなんだ。 



頭を左右に少し振り、マンションに帰る。



小田切さんは、まだ帰ってなかった。



改めて一人で、この広い空間の真ん中に、立ち尽くしてみる。



小田切さんは…半年、この空間で一人何を考えてたんだろう。



そんなことをボンヤリ考えながら、シャワーで済ませ部屋着になり、リビングのテーブルとソファーの間に膝を抱えて座り込む。



「待ってよ…。」



今日は、小田切さんが帰って来るまで起きてよう!



けれども…。



そんな決意も虚しく、数分後には睡魔にスッカリ襲われて、眠りこけてしまった。 

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