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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

私は、深呼吸をする。



「はぁ~ふぅ~。」



時計を見ると、20時半を過ぎていた。



「帰ろう…。」



小田切さん、まだ帰ってなきゃいいな。



何か抜け落ちていたけど、私はまだ少し緊張感を残し、急いでマンションに向かう。



『嘉之…まだ日本にいるんだから。イタリア行くまで用心しなさい!』



それにしても本当に、黎子の予言は当たるな…。



明日、嘉之が日本を発つまで本当に油断大敵だ! 



駆け足気味で歩き、橋にかかり川の先を見つめると、半月が水面をキラキラと照らしている。



これは輝きは…終焉か…祝福か…。



この先に起きる事は、まだまだ予測不可能だった。


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