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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

「何でここまで必死で、頑張ったと思ってんだよ!」



「嘉之…。」



止まらず次々、感情のままに吐き出した。



「ずっと応援してくれてたじゃないかっ!同じ夢描くんじゃなかったのかよ!」



「あ…。」



『なんか…離れてても同じもの見れてたら、心は繋がってそうな気がして。月だけじゃなくて…理想や夢も。身体は違えど、同じ夢描けたら、心は繋がっていられるのかもって…。』



『嘉之さんが描いてる夢…少しくらい同じ夢描けられたら…いいな…。』



受賞式の夜…初めてキスした日。



「ずっと見ててくれるって…香織だけは、見ててくれると信じてたのにっ!」



信じてた…。



「嘘…。」



だって、何言っても聞いてくれなかったし、誤解だって言ったのに、元木さんを信じてたじゃん!

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