
妄想しながら素直になろうよ
第9章 映画で妄想
炎に焼かれた森の木々は、森の主精である俺が力を与える事で再生をする。
内海王子はその手伝いとして、己の生気を再生された木々達に分け与えているのだ。
人間の生気は我々の餌になり、その力を強くする。
「後で生気を交換しましょう」
そうする事で、俺は力を強め王子は身体が癒される。
一つ難点があるとするなら、その行為には終わりがなく、交われば交わるほど激しいモノになってしまい知らず時間が経ってしまう。
「うん。でも、ちょっとに・・しろよ」
頬を染めて内海ははにかんだ。
「あれすると、俺・・おかしくなるから・・」
恥ずかしそうに俯いて、くるりと背を向けた。
あんまりに可愛い事をするもんだから、俺は後ろからぎゅっと抱きしめて、赤くなっている耳にキスをした。
「あんたが自分から俺を求めてくれるのは、大歓迎ですよ」
「そういう、事を・・言うな」
さらに耳を赤くして、内海王子は囁いた。
一面黒焦げだった大地は、今や元の木々が生い茂る深い森に戻ったように見えた。
そこには凄惨な景色などどこにもなくて、風に葉が揺れる音や、枝の隙間から差し込む光などが神秘の森を形作っていた。
「もうほとんど元に戻ったんだな」
隆々と根ざす巨木に手を触れながら、王子は上を見上げた。
幾重にも重なる葉の隙間から、太陽の光がキラキラとこぼれ落ちその身を照らしている。
つい数日前まで、この巨木も焼かれて炭となり朽ちていたというのに。
「加瀬宮、お前の力は本当にすごいな」
感嘆の言葉を投げかけてくる。
「王子の生気のおかげですよ。こいつらがここまで回復したのは、あんたがいたからです」
王子は嬉しそうに俺の元に近寄ってきた。
「あんまり役にたってるって実感はないけど、そう言ってくれるのは嬉しいよ」
「今日は実感出来ますよ。この森の守護体が相手ですから」
頬を優しく撫でて、唇に指を這わせた。
「守護体?」
「この森を守る木ですよ。東西南北に一体ずつ生えてます。とても力のある奴なので、再生しただけでまだ幼木のままですけどね」
王子は真面目な顔になり、大きくうなづいた。
内海王子はその手伝いとして、己の生気を再生された木々達に分け与えているのだ。
人間の生気は我々の餌になり、その力を強くする。
「後で生気を交換しましょう」
そうする事で、俺は力を強め王子は身体が癒される。
一つ難点があるとするなら、その行為には終わりがなく、交われば交わるほど激しいモノになってしまい知らず時間が経ってしまう。
「うん。でも、ちょっとに・・しろよ」
頬を染めて内海ははにかんだ。
「あれすると、俺・・おかしくなるから・・」
恥ずかしそうに俯いて、くるりと背を向けた。
あんまりに可愛い事をするもんだから、俺は後ろからぎゅっと抱きしめて、赤くなっている耳にキスをした。
「あんたが自分から俺を求めてくれるのは、大歓迎ですよ」
「そういう、事を・・言うな」
さらに耳を赤くして、内海王子は囁いた。
一面黒焦げだった大地は、今や元の木々が生い茂る深い森に戻ったように見えた。
そこには凄惨な景色などどこにもなくて、風に葉が揺れる音や、枝の隙間から差し込む光などが神秘の森を形作っていた。
「もうほとんど元に戻ったんだな」
隆々と根ざす巨木に手を触れながら、王子は上を見上げた。
幾重にも重なる葉の隙間から、太陽の光がキラキラとこぼれ落ちその身を照らしている。
つい数日前まで、この巨木も焼かれて炭となり朽ちていたというのに。
「加瀬宮、お前の力は本当にすごいな」
感嘆の言葉を投げかけてくる。
「王子の生気のおかげですよ。こいつらがここまで回復したのは、あんたがいたからです」
王子は嬉しそうに俺の元に近寄ってきた。
「あんまり役にたってるって実感はないけど、そう言ってくれるのは嬉しいよ」
「今日は実感出来ますよ。この森の守護体が相手ですから」
頬を優しく撫でて、唇に指を這わせた。
「守護体?」
「この森を守る木ですよ。東西南北に一体ずつ生えてます。とても力のある奴なので、再生しただけでまだ幼木のままですけどね」
王子は真面目な顔になり、大きくうなづいた。
