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迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有

第4章 湖


マシロの
カメラを持つ手は
ぎこちなく


まるで
カメラを
触ったことの
ない子供のようにみえた





「(笑)

マシロぉ

似たようなカメラで
何千枚も
撮ってるだろ?

学校行ってたんだし(笑)」






「そ・・そうですけど・・

けど
でも

これは・・・」







「同じだよ


どれも
同じだ


シャッター切ったら
見えてるものが
写る


それだけだ。



レンズ越しに
見えてる
景色も一緒



お前が見てる景色も

俺が見てる景色も



どれもこれも

特別じゃねぇよ




壊れても
かまわねーから

気楽に
好きに撮ってみろって」






「こっ壊したり
しませんから!」





「わかったわかった(笑)

んじゃ
好きなように
やってみろ、な?」










「はい」







好きなように
お前が撮った

その写真を

見たいんだよ



俺の部屋の
暗室で



現像液の中で

お前が撮った絵が
浮かび上がってくる




その瞬間を



見たいんだよ




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