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素直になろうよ

第11章 最後の奇跡

お寺の参道に隙間なく並ぶ屋台を一々眺めながら、二人で歩いた。



イカ焼きを買うか聞いたら、昔イカを食べようとしたら内臓から虫が出て来てトラウマになったとか。

子供の頃、綿あめが苦手なくせに、それが入った袋が欲しいばかりに、買ってそのまま食べずに放置して親に怒られた話とか。

射的が実は得意だと言うので、やってみたらひとつも当たらなかった。俺がやったら一つ当たってしまい、悔しかったのかその後連続3回も続けたこととか。



本当に本当に楽しくて、泣きそうになった。



それから、年末の非礼を詫びた。

で、一番伝えたかった言葉を言わなくては。





「さよなら」とは言えないから、せめて「ありがとう」と。

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