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乾いた空

第2章 二章




志望校の試験をトップで合格した。
国公立の日本一と言われた大学だった。でも父親は満足してなかった。
僕は"完璧な人間"から、もう程遠い人間だったから。


僕にはそんなのどうでも良かった。


何日、何ヵ月もメチャクチャになった部屋のなかで僕の心のなかは空になっていた。

ふと窓の外を見ると既に夜になっていては濃紺の深い空に三つ並んだ星が……
オリオン座がダイヤモンドの様に雲に隠れることなく、美しく輝いていた。


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