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S×強気で恋になる

第78章 終わりは告げないで

タクシーに乗って俺のオススメの料亭に向かう

途中の信号待ちで、外を見ると
オフィスビルの横を歩くスーツの男性や綺麗な女性がたくさんいて、純平は長い脚を組みながらずっと外を見ていた

「こーしてると・・・俺もなんかサラリーマンみてー・・」
「え・・・あぁ、・・お前愛されてるもんな」
「愛されてる?」
「束縛されてるってこと。真ちゃん、お前しか見てねーからな」
「そんなことねーよ。怒られてばっかりだし・・・」
「まあ、あいつすぐ怒るもんな」
「・・・ストレスたまってんだろ」


どこかそう吐き捨てるように言い
また窓の外を見る


「俺は・・・お前が羨ましいよ」
「はぁ?んなわけねーだろ。羨ましがられることなんてなに一つない」
「そうか?俺なんか兄弟多いし、隆彦はひねくれてるし悠二は奔放だろ?真ちゃんは昔は隆彦に目の敵にされてたから泣き虫だったし、雅史は甘えん坊だしさ。真ん中の俺って、家族でそんなに関心もねぇし、怒られることなんてなかった。だから、過保護みてーに真ちゃんがお前に尽くしたり、怒ったりすんの正直羨ましいな」

「・・・和也?」

「なんかベラベラ関係ねぇ話だったな。わりーわりー」
「藤間となんかあった?」
「なんもねーよ。」

そう言って、外を見る

親父に言われたことが心に突っかかってる今
純平と酒飲んだら
俺こそやべーかもな・・・


純平のこと気を遣ったはずなのに
純平話しやすいから
俺の話しちゃったし


気を引き締めないと


「和也ー!隣、リムジン!!」
「あー?・・・新しい形のリモじゃねーな」
「久しぶりに街中来たから、夜なのに眩しくね?」

そう言いながら、窓を開けると
まだ冷たい風が入ってくる

寒っ、・・・

窓閉めろよ

そう言おうとしたけど、純平の髪が風でなびく様子がとっても綺麗で、しばらく見つめていた

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