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?…好き…?

第33章 また手術…

それから半月程経った頃だろうか、何時もの様に、職場の喫煙所での彼女のお喋りを聞いていた。
「アタシね、また来月お休みさせてもらうんだ、まだ日にち決まってないけど、子宮の方も手術するのが決まったの」
『また』というのは、来月がちょうど、胸の手術から一年後だからだろう。
『子宮の方も』これは、胸の事や、妊娠の検査で、発見されていた物。
異形成というヤツだ。
自然に無くなる場合もあるが、癌にまでなるものもあるらしい。
彼女の場合、正確にはそれがあるのは『子宮頚』。
つまり、放っておけば『子宮頚癌』になるかもしれないのだ。
見つかった異形成は、ヒトからのウィルス感染による可能性が高い物であるらしい。
と云うより、『子宮頚』に出来るソレは、それが原因と考えられるらしい。
俺が思うには、乳癌になった彼女は、ソレが『癌』になる可能性は、高いのかも知れない。
ともかく、彼女はまた手術する。
ただ今度は、入院は短く、自宅療養になるらしい。
途中で会うことも出来ない。
産休に比べれば、短い期間ではあるが…
それに、そんな場所の手術となれば、当然そういう行為は、当分出来なくなる。
しかも、ヒトからの感染が原因の病気…
そもそも、出産前からそういう行為はしてないワケで、それでも彼女は、俺とショッピングや食事をしたりしてはいるのだが、今後の彼女の俺に対する行動が、気になってしまう俺がいた。
何故ならば、『乳癌』が発覚した時の、彼女がいるからだ。
あの時彼女は…
『胸が無くなったら、アナタの前にいられなくなっちゃうっ』
『胸の事は、アナタは異性なのっ』
そう言った。
つまり、彼女は俺が異性だから傍にいる、俺にはそう受け取れてしまうのだ。
勿論、俺も彼女に、異性として魅力を感じているワケで…

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