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暗い少女は明るい少女?

第56章 今しか出来ないこと

ホテルに帰った僕たちはそれぞれの男女に分かれて部屋で横になっていた。

「明日はアウトレットだったよな。柊一は何買うか決めてる?」

「コレと言っては…。何か良いのがあればって感じ。」

如月は軽くため息を吐く。

「どうしたらそんなに柊一や純みたいにオシャレに出来るんだ?」

「は?」

「柊一も純もオシャレだから。自分に似合う格好わかってるっつーか。」

僕は目を丸くした。
さっきの純の言葉の時もそうだったが、僕は全力で否定する。

「確かに純はオシャレだけど、僕はオシャレじゃなくて無難なの。僕と同じ年頃の誰が来ても似合う格好。純でも如月でも。まあ、サイズの問題はあるかもだけど。」

大学になってから朝、困るのはいつも私服のことだった。
高校はその点、制服だからオシャレも何も無い。
幼稚園も小学校も制服だったから、私服で学校は最初のうちは新鮮だった。
今じゃ、それも日常だが。

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