テキストサイズ

いいから早く俺のものになれよ

第4章 なんで・・・

家に帰ると、
先輩はいなかった。

多分すぐに気づいて
帰ったのだろう。

「はい。下ろすよ。」

二人で玄関に座る。

美幸は泥だらけで、
服も乱れている。

俺はなんてバカなんだ。

なんで彼女に
こんな思いさせたんだ。

怪我までしてる。

なんていえば・・・。

「淳也、ごめんね。」

「なんで、美幸が謝るんだ。」

なんで。

涙が出てくる。

「淳也、泣かないで。
 事情を聞かずに・・・
 淳也の言う事を聞かずに
 出て行ったあたしが
 悪いんだから。」

「俺が悪いよ。
 ほんとすぐに
 追いかけられなくてごめん。
 そのせいで・・・
 美幸が・・・。」

「あたしは大丈夫だよ!
 それより、
 淳也、握られたところ
 内出血してる。
 冷やしたほうがいいかも。
 結構ひどいよ。
 でも、あたし
 汚いから・・・。」

「何言ってんだよ!
 美幸は汚くなんかねぇ!
 汚れてなんかねぇ!
 俺が全部
 忘れさせてやるから。
 って、その原因を作った俺が
 言っても説得力ねぇよな。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ