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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 春花は歩いていた。
 ずっとずっと果てしない道をたった一人で歩いている。素足の真下には石ころだらけの道が延々と続き、その道の向こうには何も見えず、周囲もまた似たような荒れ地ばかりで、花の一本もない。
 でも、道の向こう、はるか彼方にはうす青紫の可憐な花たちが群れ咲く野原があることを知っている。そこに行けば、何かが変わる。これまでの人生を根こそぎ覆すような何かがきっと待ち受けている。

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