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ふしだらと言わないで

第4章 慰み者の娘

「双葉よ」
「はい?」
「明日お前をお披露目する
みなに紹介しよう
新たな使用人としてな
立派に勤めてみなさい」
「………はい…」



 いよいよこの日がきた
 私の使用人としてのデビューだ

 わかってはいたが…
 いざ直面すると怖かった

 男はおじ様しか知らない私



 どうなってしまうんだろう…



 下女入りすれば使用人は使用人専用の部屋で生活する
 相部屋だと聞いている
 それから大部屋での食事

 同じ釜の飯を食う仲間
 身寄りのない同じ立場の仲間には私もすごく会ってみたかったが…

 今までのようにおじ様と寝ることは叶わなくなる

 会話もできなくなる



「寂しいです…」



 口に出すと、なぜこんなにも気持ちが重かったか解った

 なんだかもやもやする



「嫌かね?
双葉の父君母君の借金を
立て替えたのは誰かね?
双葉を引き取るにあたり
そういう条件だったはずだが」
「わかっています…」
「頑張りなさい」

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