
君のため。
第97章 ~傷~
長文すぎるメールの行き着く先、
ついに私は夜中に、
少しだけ自分を傷つける。
そんなことしても仕方ないし死ぬわけないけど、
少しだけ傷つける。
それを知っても彼はとくに反応はない。
だって去年、彼も死にそうだったことがあるから。
今更そんなことを私がしても、
去年の自分の死にそうな辛さに比べれば…、
そういう風に思う人だから。
何だかんだいって、彼は自分のことが一番大事。
今も一途に彼女さんを思っているのにもかかわらず、
自分がどう思われているのかが不安に、自己愛に負けそうになっている。
人としてだいぶ問題がある。
そうなんだよ。わかってる。
理解はしている。ずっと前から。
