テキストサイズ

君のため。

第121章 大嫌い。どうでもいい。大好き。

大好きだった人を
今までの私は大嫌いになって吹っ切ってきた。
それはもう徹底されていて、その人が好きだったものも全部大嫌いになる。

でも今度の恋はそうなりたくなかった。
私にとって最後の恋だからかもしれないし、
ただ単純に彼の教えてくれた歌を聴けなくなるのが嫌なのかもしれない。素敵な歌に罪はない。


大嫌いになれない。


何度も何度もその都度真剣なサヨナラメールを送って、
でも大嫌いになってはいないから、とどめを刺すことができない。

とどめ?誰に?
彼に?自分に?


やがて私は観念する。

どんな形であれ私は彼と繋がっていたいんだ。楽しいんだ。
やっぱりドキドキするんだ。


今はメル友。
誕生日はメールでお祝いさせてね、って確約。
…でも誕生日当日にはきっとメールしない。前日に。

当日は彼女さんとの(もうその頃には奥さんなのかもしれないけど)素敵な誕生日の一日が待っているだろうから。だから前日に。

なんで誕生日の後ではないのか?女心って複雑だな、と思う。自分でも。


とにかく、
どんな形であれ繋がっていないと何も始まらない。


そっか。
自分でも気づかなかったけど、
それってとても前向きなことなんだ。


「大好き」から「好き」になって、

「大嫌い」と「嫌い」はとばして、

はやく
「どうでもいい」

になるのが理想かな。

なりそうにないけど。
根拠のない自信。


とにかく
私はまだ彼のことが大好きです。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ