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無題

第5章 変化(後編)

「ご飯食べないのか?」

「え」

「余ってるんだけど」

「あ…えっと…」

「別にいらないならいい」

「ぃや、ください…」


余ってると言ったのに
あからさまに今から作ってる様子の雅樹を眺めてみる。

もしかして引き止められた?

手際よく作る
雅樹の背後に近寄ると、

郁也のお気に入りのチャーハンが
フライパンの上で美味しそうに転がされていた。

そっと耳元に近づく。


「スープもつけてほしいな」


ピクン
と反応した耳が
淡い桜色に染まる。


「だめ?」

「…」

「雅樹君…お願い」


バッ
と振り返った雅樹の
淡く色づいた頬と、
今にも泣き出しそうな
強がった瞳がどうしようもなく
欲を煽った。

どうして雅樹は
同性なのに
こうも魅力的で
セクシーなのか
と恐ろしく感じる。


「…ッ…ズルい」

「何が?」


距離をとろうとする雅樹の
腰を捕まえて、
自身の体に押し付ける。

郁也の昂りを感じとり、
顔が真っ赤に染まった雅樹は
泣きそうに
うつむいたまま
目を合わせてくれない。


「今まで…放っといたのに…急に、ズルい…ッ」

やっと絞り出した拗ねた口調は
愛らしく
郁也を煽り、
郁也は色づいた耳に
小さく歯を立てた。

ピクピク
と口を押さえて
反応する雅樹に
理性が遠退いて
夢中で首筋に吸い付いた。


「はッ…ぁ…ヤだぁ」

「嫌?」


薄いシャツの下から
ぷくり
と主張する乳首を
服の上から転がす。

じんわりと滲む
生理的な涙と
押さえた声の色っぽさ
に目眩すら感じる。


「気持ちいぃ?」


ふるふると
首を振る頑固な雅樹の
ズボンを
強引に引きずり下ろす。

グレーのパンツは
湿っぽく
滲み、
目一杯
膨らんでいた。

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