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無題

第4章 変化(前編)

聞き覚えのある音に気づいて
反射的に携帯をとると、
聞き覚えのある声が
耳に響いてきた。

「待ち合わせ間に合いそうか?」

「…」

「お~い、郁也~」

「あ…ちょっと、遅れる…かも」

「了解、ちゃんと来いよ?」

「わかった…」

郁也が返事すると
上機嫌の勇二は
プツリ
と電話を切った。

プープー
と無機質な音を
ぼんやり聞きながら
視線を下に向けると、
乱れた呼吸を整えている雅樹の姿があった。

雅樹は一切の衣類を
剥いだ格好で、
肌は
しっとりと
汗ばんでいる。

上半身をメインに
全身に
くまなく
赤紫のアザが点在していた。

いまだに少し上気した頬、
男にしては長めの黒髪の乱れ、
泣いて潤んで湿った長めの睫毛、
何度もキスして色づいた唇…

何度も
吸って
噛んで
嫌がるのを痛がっても
押さえつけて
鳴かせて
開発してしまった乳首は
赤く色づき、
吸い付く前より先端は
ぷくり
といやらしく主張して
立ち上がっている。

半分萎えた雅樹のモノは
先端から亀頭辺りまでを
ヌラヌラ
と光らせて、
時折ピクッと動く。

程よく締まって腹筋の浮くお腹には
雅樹自身が放った
白濁で
どろどろになっていた。

頭の先から少しずつ見下ろしていきながら、

あぁエロい…

と郁也の心情で感動にも似た気持ちが湧いた。

呼吸を落ち着かせた雅樹が
ゆっくりと瞼を開いて
郁也を見た。

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