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無題

第4章 変化(前編)

不思議に思っていると、
死角になった瞬間
壁に押さえつけられて
キスされていた。

「ちょッ!?…え?何で?んッ」

パニックの郁也は
されるがまま雅樹からのキス攻めにあって、
満足した雅樹は
熱い吐息と共に郁也を解放した。

「別に、何となく」

熱っぽい視線と
無機質な口調が合わなくて
少し笑ってしまった。

郁也の態度に少しムッとしたらしい雅樹は
郁也から視線を反らして
離れようとしたが、
腰を掴んで引寄せた。

「何?ッ!…んンッ!?」

顎を掴んで口を開かせて、
郁也は舌を押し込んだ。

いきなり侵入してきた舌を
雅樹は思わず噛んでしまった。

「痛っ」

「あッ…ごめんッ」

スルリと雅樹を放すと
名残惜しそうな表情で見つめられた。

先程より更に熱っぽい瞳は
郁也を求めているように見える。

「痛かった」

「ごめん」

「血出たかも…確かめてくれる?」

「え?」

「雅樹君の舌で」

そう言って意地悪く笑うと、
雅樹は恐る恐る近付いてきて、
郁也の舌をペロペロと恥ずかしそうに舐め始めた。

「もっと奥の方、かも」

精一杯奥まで舐めてくる雅樹は
熱い息をしながら、
刺激を求めるように歯列の裏まで舐めた。

その舌を吸い上げてやると雅樹は甘く鳴いた。

「ぁんッ!…んんッ…はぁ…」

「気持ちいい?」

「…ぅん…もっ…とッぉ…」

媚びてしがみついてくる雅樹に
濃厚に口づけて、
震える腰を掴んで、
壁側に移動させる。

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