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第2章 土曜日



「…ッ…てめぇ…!!!」

基樹の目には、大粒の涙が浮かんでいた。

あいつ、煌太は裏切らなかった。
――それなのに、俺は………


「…無駄な犠牲者が出たな。…今からお前にも死んで貰うってのに…ハハッ…」

奴は不気味な笑い声をあげた。

「…ッ…」

基樹はもう一度、ゆっくりと深呼吸をして全神経を整えた。
そして、奴を鋭い目付きで睨んだ。


「…おぉ、恐い恐い。……その目、俺は何人も見てきたぜ。……俺を恨むその目をな!!!!」


グサッ


基樹は奴が喋っている途中で出来た隙を狙って、サバイバルナイフを刺した。

「……ゴフッ…な…な…にを…?!」

基樹は無言で奴を睨み付け、サバイバルナイフを素早く奴の身体から抜き、再び心臓に刺した。残酷な程に……。



「…うがあぁあぁぁあぁあ!!!!!!!!!!!」



奴は一瞬にして息を引き取った。

基樹は奴の血で汚れた手を見つめながら、呟いた。



「…人を…殺して…しまった…」


だが、仕方がないのだ。
基樹は煌太の敵を打つ為に行った行為だったのだから。

……と、思うことにした基樹であった。

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