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智日記(。-3-。)

第30章 4月20日


二人でいるといつでも
僕は僕の話ばっかりして
それでも君はいつでも
嬉しそうに話を聞いてた

君が僕にしてくれた事は
いくらでも思い付くのに
してあげられた事も
今言える言葉も
僕は見つけられずに

あの日二人で観た映画の
エンディングみたいだねと
君がふと笑い出す
最後の最後になって今
君の代わりなど
いないと気付いたのに

寂しいも会いたいも
しまい込んでは微笑んだ君の
その顔を笑顔だと
いつの間にか思い込んでたんだろう

見慣れた服に見慣れない笑顔で
悲しいねと言った後で
そっと僕の手を取って
真っ直ぐ目を見て
ありがとうと呟いた

あの日二人で観た映画の
エンディングみたいだねと
君がふと笑い出す
最後の最後になって今
君の代わりなど
いないと気付いたのに

会えないと思うほどこみ上げてくる
同じ場所で同じモノヲ見てたはずなのに
僕は一体 何をしていたんだろう
君にこんな顔をさせるまで

あの日二人で観た映画の
タイトルすらも
僕は思い出せないままで
最後の最後になってまで
君に何ひとつ
してやれないんだね

あの日二人で観た映画の
エンディングみたいだねと
君がふと笑い出す
最後の最後になって今
君の代わりなど
いないと気付いたのに

君の代わりなど
僕はいらないのに




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