『側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】』第19章「第四話　【牡丹の花咲く頃には】　再会」　991ページ

小中大テキストサイズ

側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第19章第四話　【牡丹の花咲く頃には】　再会

「つまらない嫉妬心を剥き出しにして、そなたにも随分と嫌な想いさせた」
「それは―仕方ないわ」
「仕方ない？　よくそんなに寛容でいられるな。俺に腹が立たなかったのか？」
　キョンシルは居住まいを正した。今、話さなければ、機会は永遠に巡ってこないような気がする。
「そのことで、私、一度、トスおじさんと話したかったの」
「もう良いと言っただろう」
　トスは、はっきりと拒絶の意思を表している。しかし、キョンシルは怯まなかった。
「トスおじさん、昨日の夜はどこに行っていたの？」
　突如として話題をふられ、トスは眼を瞠った。