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　狭い鳥籠で飼うには、つがいでなければ生きてゆけぬといわれている雪見鳥は、またの名を恋夫鳥ともいう。この鳥を贈られた時、ソンが教えてくれた話を今更ながらに思い出す。
「キョンシル、そなたもあの鳥のように帰るが良い」
「ソン」
　キョンシルがソンを見上げると、ソンは晴れやかな笑顔を浮かべた。憑きものが落ちたような、嵐の後の青空のような微塵の翳りもい表情だ。そこには、若き国王が確かに一つの大きな山を乗り越えたのだという事実が明らかに刻み込まれていた。