
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第3章 旅立ち
トスが笑った。
「つれないんだな」
「え?」
キョンシルは小首を傾げた。
「俺がいなくなっても、淋しくはないのか?」
トスの切れ長の瞳に揶揄するような光が煌めいている。
キョンシルは小さく首を振った。
「そりゃあ、淋しいに決まってるじゃない。でも、トスおじさんの人生はおじさんの人生だもの。私が口出しできないわ」
トスは大きな息を吐いた。
「あのな、キョンシル。この際、常識論なんて糞食らえだ。俺が訊きたいのは、そなたの真の気持ちだよ」
「私の本当の気持ち?」
「そうさ。一人でちゃんとやってゆけるのかどうか。どうも今のそなたを見ていると、危なっかしくてならないんだ」
「つれないんだな」
「え?」
キョンシルは小首を傾げた。
「俺がいなくなっても、淋しくはないのか?」
トスの切れ長の瞳に揶揄するような光が煌めいている。
キョンシルは小さく首を振った。
「そりゃあ、淋しいに決まってるじゃない。でも、トスおじさんの人生はおじさんの人生だもの。私が口出しできないわ」
トスは大きな息を吐いた。
「あのな、キョンシル。この際、常識論なんて糞食らえだ。俺が訊きたいのは、そなたの真の気持ちだよ」
「私の本当の気持ち?」
「そうさ。一人でちゃんとやってゆけるのかどうか。どうも今のそなたを見ていると、危なっかしくてならないんだ」
