
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
この数歳年上の内官は、若い王が新しい妃に夢中になっているのを暗にからかっているのだ。黄内官はホン内官の血の繋がった甥に当たる。その関係から、まだ幼い中から内官見習いとして宮中に入り、年の近い黄内官とは主従というより友達に近しい気軽さで接してきた。
しかし、こんなときは、訳知り顔で揶揄されるのも癪に障る。
「そなたにも恋い慕う女ができれば、判るさ」
本来、内官は男性ではないが、同様に恋愛禁止とされている宮廷女官とは恋愛関係になることは多い。内官と女官の恋愛は原則として禁止されているけれど、生涯を王に捧げて生きる立場の女官と内官の境遇を慮り、内々での付き合いであれば女官たちを取り仕切る提調尚宮(チェジヨサングン)(後宮女官長)も見て見ぬふりをしていた。
しかし、こんなときは、訳知り顔で揶揄されるのも癪に障る。
「そなたにも恋い慕う女ができれば、判るさ」
本来、内官は男性ではないが、同様に恋愛禁止とされている宮廷女官とは恋愛関係になることは多い。内官と女官の恋愛は原則として禁止されているけれど、生涯を王に捧げて生きる立場の女官と内官の境遇を慮り、内々での付き合いであれば女官たちを取り仕切る提調尚宮(チェジヨサングン)(後宮女官長)も見て見ぬふりをしていた。
