
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
「おい、娘さんよ。どうやら、この若さまは頭が少しイカレちまってるようだぜ。綺麗な顔をしてるのに、可哀想にな」
店主が幸か不幸か、都合の良い勘違いをしてくれたので、キョンシルはこの場は退散することにした。
「えっ、ええ、本当に、お気の毒なことですわ」
とか何とか言い、急いで懐から銭を出した。
「若さま、さあ、行きましょう」
呆気に取られている店主に銭を渡し、引き替えに鏡を受け取ると若者の手を掴み、無理にそこから引っ張り出した。
店主が幸か不幸か、都合の良い勘違いをしてくれたので、キョンシルはこの場は退散することにした。
「えっ、ええ、本当に、お気の毒なことですわ」
とか何とか言い、急いで懐から銭を出した。
「若さま、さあ、行きましょう」
呆気に取られている店主に銭を渡し、引き替えに鏡を受け取ると若者の手を掴み、無理にそこから引っ張り出した。
