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　キョンシルのナツメ形の黒い瞳がトスを射るように見開かれた。
「トスおじさん」
　声が、震えた。
「これで、俺がどんな男かがそなたにもよく判ったはずだ。俺はこんな男さ。綺麗事を述べ立ててキョンシルを引き取っておきながら、いざとなれば責任を放棄して追い出そうとする。ご覧の通りの最低な男だ」
　冷淡ではなく、しかしわざと感情をこめずに、トスは応えた。
「それがトスおじさんの応えなのね」
「―ああ、そうだ。これで、そなたも俺にとことん愛想が尽きただろう」