『側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】』第6章「崔家での日々」　248ページ

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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第6章崔家での日々

「私なんかのために、他の人と気まずくならないで。ジュボクがこのお屋敷にいられなくなったら大変だもの」
　ジュボクは頼もしげに胸を反らした。
「そんなことにでもなろうものなら、自分からとっとと出てゆくさ」
　いかにもガキ大将であった彼らしい発言に、キョンシルは泣くのも忘れて笑った。
「気にすることはない。お前んとこのミヨンおばさんがあついらの言ってたような良い加減な人じゃないことは俺がよく知ってるからさ。だが、キョンシルよ。ここにいるのは、やっぱり、お前にとっては辛いんじゃないのか？　その、何だ。俺は確かにこんな風体でお世辞にも男ぶりは良くねえし、お前は俺なんかには勿体ないほどの良い女だけど、それでも、俺はお前が好きだ。ガキの時分から、ずっとお前のことだけを見ていた。贅沢はさせてやれねえかもしれないが、精一杯大切にするよ。