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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第6章 崔家での日々

「くそう、手前ェら」
 ジュボクの童顔が怒りのあまり、朱に染まっている。
「良い加減にしねぇか! 自分らがモテないからって、ひがむのはみっともないぜ」
 耳をつんざくほどの大音声で喚くと、茂みの向こうの笑い声は呆気ないほどすぐに止んだ。こそこそと立ち去ってゆく足音が遠ざかる。
「どいつもこいつも、腹の立つ野郎ばかりだ」
 ジュボクは苛々と歩き回り、それからハッとしたようにキョンシルを見た。
「キョンシル、大丈夫か?」
「大丈夫、私なら大丈夫だから」
 キョンシルは頬をつたい落ちる涙をこすった。

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