
真っ赤な家庭
第3章 取調室
もしかしたら、この女かもと思うと流石に怖くなった。
中村はまだ読めていない様子だった。
ある意味良かった。動揺されても困る。
「すみません、実や枝を切るのは何を使って切ってますか?」
妙子は不振な顔をして
「こちらにありますわ。」
出して来たのは普通の持ち手が長くて先が普通の大きさのハサミ状になっているものだった。
ノコギリも小さく人を一気に切れるぐらいのものではなかった。
「私を疑ってらっしゃるのね。」
笑顔で言った。
「職業柄、参考までですよ。」
普通に誤魔化したが、重い空気が流れていた。
中村はビクビクしていた。
