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甘いキスを永遠に

第88章 最後の店

元哉は畳に胡座をかいて座り、私も隣に座った。


静まり返った部屋にビールの栓を抜いた音が響いた。


グラスにコポコポと注がれる音に寂しく聞こえた。


「はい、麻実ちゃん」


「ありがとう」


元哉が注いでくれたグラスを受け取った。


「長い間お疲れ様」


元哉はグラスをあげて左側の口角を少しあげて笑った。


「元哉も長い間お疲れ様でした。ありがとう」


そう言って乾杯した。


ゴクゴクと飲むと二人ではあっと息を吐いた。

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