
好きな空間
第14章 疑惑
許されないことと分かっている。
言われた通り奥の部屋から大きなキャリーバッグに見えないように表には服をつめて、残りの荷物はまとめて客室へ挨拶をしに戻って
「すみません、あとの荷物はまとめてあるので宅配便呼びますので来ましたら、帰りますね。」
これで終わり。
「そんなに慌てなくてもいいですよ。
貴女には私からまだ用があるので、明日の夜は空いてますか?」
「はい。」
「では、決まり。
お待ちしていますね。」
笑顔で約束してタクシーを呼んでくれ、私はキャリーバッグを持って家へ帰った。
キャリーバッグは貸しトランクルームに入れた。
トランクルームは以前から衣装や鞄などを入れていたので。
あえて中身は見なかった。分かっているから。
