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第14章 疑惑



何を言われるのか覚悟していたが、意外な言葉だった。



「父を心より愛して下さり、本当にありがとうございました。
ご存知でしょうけど、恥ずかしながら私達も全く家には帰ってなく、貴女に父の全ての世話を任せてしまいました。」



「何故、私をご存知で?」



「以前、手紙や電話で結婚したい女がいて、その女には断られたから驚いたと。
自分の結婚を断るということは全く財産を狙ってなく、心から自分を愛してくれていると。
しかも貴女には私達が帰ってくるまでずっと父の側を離れなかったと関係者に聞いています。」



「そうなんですか…
本当に彼を愛していました。」





本当に彼を愛している。


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