
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第21章 消えた記憶
ドアが開く音が聞こえて振り向くと、優のお父さんと隣には女の子がいた。
「…目覚めたようだな」
優を見て安心したお父さん。
あたしの表情を見て、何かを悟ったように笑った。
「…記憶が、ないのか?」
「いや…、お前は俺の親だろ?」
お父さんの事は覚えてる。
だけどあの出来事は全て忘れているようだ。あたし達が会社に乗り込んだ事も、全部全部…。
「そして、お前は俺の婚約者、
…そうだよな?」
優の口からは、残酷過ぎる言葉が聞こえた。思わず耳を塞ぎたくなる。
「ああ…そうだよ」
お父さんは悲しそうに笑った。
