喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第12章 赤い跡
「落ち着いた?」
「う、うん」
抱きしめられると、急に安心して涙が落ち着いてきた。
「俺はお前の事、嫌いにならない。
だけど、俺のじゃない〝跡〟が付いてたら、誰だって怒るよ?」
跡?
…あたしは理解出来ずに首を傾げた。
「首に、俺のじゃないキスマークが付いてる。
誰に付けられた?」
きすまーく?
キスマーク…。
あたしは昨日、
途中から記憶がない。
「……そうか、あいつか」
そうだそうだ、思い出したぞ。
あたしに優以外で付けられたのは、仁しかいない。
「優に言ってなかったよね?
今、幼馴染みが家に来てるの。
親が旅行で居ないから家事全般やってくれてるんだけど―――」
盛大に溜息を付く優。
悪魔じゃなくて、鬼のような顔で。
「梓ね、馬鹿?
あんたみたいに無防備な奴が、今家に二人っきりなら襲われるに決まってんだろ?」
うう、優が怖い。怖いよ。
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