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第8章 過去と現在




あの時もっとちゃんと向き合っていれば…
ユキの変化に気付いていれば…
拓哉は何度も何度も自分を責めた。



ユキはプロになることなんかどうでもよかった。
ただ、自分の居場所が欲しかった。
だけどそれをわかりつつも、自分は見てみぬふりをした。



(俺はユキを利用したんだ…)



ユキを本気で愛していたのかさえも、今はもうわからない。
ただ大切な人を失ってしまった後悔だけが、拓哉をずっと苦しめていた。



それでも拓哉は…
音楽をやめることはできなかった。





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